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苦しみや哀しみと闘う人々へ 〜 生きる

■ KURUKANA メールマガジン 〜 Back Number ■



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 [No.003] 読者より - 夢                2002.03.22配信
 [KURUKANA WEB: http://ikiru.cool.ne.jp/]         03/22更新

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         苦しみや悲しみと闘う人々へ - 生きる
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■ 目次

   1.[連載] Mind Journey - 始発点
   2.[随筆] 読者より - 夢
   3. [随筆] 花便り - KURUKANA メーリングリストより

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■ [連載] Mind Journey - 始発点

 しばらく病室で両親が付き添い、一通りの荷物の整理を終えた後両親は帰宅の途についた。別れ際に母が何度も何度も「大丈夫か大丈夫か」と僕に聞いてきた。そのときの母の様子は不安と僕を気遣う姿で一色だった。父は割合あっさりしていた。二言三言言葉を交わすと早く帰ろうと言い出し母を急かした。後で聞いた話によると、父は僕のことを心配してはいたが、こうなった以上医者に任せるしかないと腹を括っていたらしい。しかしそのときの僕にはただ淡泊な父の姿しか瞳に映らなかった。若い看護婦さんと話をするときのにやついた父の目が気に入らなかった。それほど動揺した姿を見せず、またそんな様子の父だから、そのとき父が僕のことを心配していたとはそれほど思えなかった。そのときの僕の父に対する評価はとても低かった。父のことは愛してはいたが僕は父が家族にしてきたことは大嫌いだった。僕は幼い頃からほとんど父性というものを感じたことがなかった。あるいは父はそのつもりでも、僕たち子供にはとてもそうは受け取れなかったのかもしれない。父のことを憎みたかった。今まで母は父によって酷い悲しみを受けてきた。それは僕と二人の兄弟も同じだ。その父の行為は僕が闘病の最中にあっても家族への致命的な裏切りとなって表れた。そのことが決めてとなって今となっては僕の父に対する評価はない。だが、それでも父への愛がないといえば嘘になる。結局憎めないでいる。それがまた僕を苦しめた。この父の行為は闘病の中にあって僕をさらに苦しめ続けることになる。

※記事は本文の一部を抜粋したものです。執筆中の記事全文は http://ikiru.cool.ne.jp/mind_journey.htm からご覧くださいませ。
※現在はご覧いただけません

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■ [随筆] 読者より - 夢

 わたしにも夢を追いかけた頃が確かにあったと思う……花田くんの夢に対する想いが、深く心に沁みました。何故なら、同じ生きることに対しての心構えが、夢が私にはぬるま湯に浸かっていたかのように曖昧だったと思うのです。

 そんな私が2年前あけみさんという脳性まひで寝たきりの女性と出会った時、彼女の夢をかなえてあげたいと心が動きました。彼女は幼い頃から隔離されたように生きてこられました。三原養護を卒業したのは30代後半か40代になっていたのではないかと思います。障害と共に生きてきた彼女の幼い頃は隠された時代だったのです。食べることも排便も、生活に関わるすべてを人にゆだねないと生きてはゆけない身体でした。私が出会った時の彼女は言語障害をリハビリしながら語り部の勉強をしていました。指も自由に使えないから、右手か左手の中指一本だけでパソコンに向い原稿を作っていました。「わたぼうし語り部」コンクールで全国応募100余りの中から10人の中に選ばれ、東京の「セゾン劇場」で発表すると言うのです。東京への旅2泊3日に介護ボランティアでついていってほしいとの依頼でした。夢は「わたぼうし語り部」コンクールでグランプリを取ることと語ってくれた彼女の目が輝いていたのを覚えています。彼女はその時準グランプリを取りました。何らかの障害を抱えている参加者のなかで一番重い障害だったろうと思います。私はセゾン劇場で泣けて泣けて仕方がありませんでした。心が震えるくらいの感動を受けて帰途に着きました。若い頃死にたいと思ったことは何度かあるけれど、死のうと思っても自分で死ぬことも出来なかったと道中に彼女が語ってくれました。この時、彼女からとても大きなものをいただいたと思っています。

 とっても明るいあけみさんです。尾道で赤い車椅子で目の大きい女性と出会ったらあけみさんです。手を振ってあげてください。私の夢はドナー登録者が30万人を超えて、患者さんすべてが心配しなくても移植が出来こととGVHDの良い薬ができること。そして私たち骨髄バンクのボランティアが必要なくなる日が来ること。そしたら、又介護ボランティアやっているかもね。

※編集者より
 ハンドルネーム Noriko さんよりのメッセージです。Noriko さんは骨髄バンクの活動に長年携わっておられます。その他にも様々なボランティア活動を通して社会活動に積極的に参加なされている活動的な方です。Noriko さんへのご意見・ご感想などは reply@kurukana.jp 迄お寄せくださいませ。KURUKANA Staff が責任を持って Noriko さんにお届けします。お寄せいただいたメッセージは原文を尊重しつつ、内容に支障のない範囲内で整形を行っています。

※編集者注釈
GVDH:GVDHとは骨髄移植後の拒絶反応を指す。骨髄移植そのものが死亡原因となることよりも、移植後のGVDHによる様々な機能障害の方が患者にとってより大きな驚異となっている。GVDHの程度によっては患者は死に至る場合もある。 骨髄バンク:非血縁者(血縁関係にない者)間での骨髄移植を目的とした非営利組織。非営利の全国的なボランティア組織と厚生省管轄の法人格骨髄移植推進財団とからなっている。骨髄バンクへのドナー提供を呼びかけたり非血縁者間骨髄移植の仲介業務を行っている。

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■ [随筆] 花便り - KURUKANA メーリングリストより

 広島に吹く風はもうすっかり春の色を装っています。穏やかな春風を香らせています。日差しも柔らかく、僕等を包み込む大気も柔らかい。

 今は体調の方も割合良好です。熱も吐き気もその他の症状もありません。数日前からまた内服の抗ガン剤服用が始まりました。朝晩で合計8錠ずつです。同種類の薬のラベルに「劇」と赤文字で書かれていたのを見てびっくりしました。処方された薬物の分量を守らず、もしも1度に飲んだらと想像したら結構気分が冷めました。間違っても1度に全部の飲むことはないですけれども、そんな嫌な想像を巡らした後に抗ガン剤のカプセルを飲むのはそれなりに嫌でした。それにまた髪の毛が抜けたことが気になります。季節の変わり目だから髪の毛も生え替わりたかったのでしょうか。またしばらくしたら入院しなければなりません。身体の調子がいいときなどは狭い無菌室での暮らしは退屈ばかりです。何時も何時も思うのですけれど、まさしく篭の中の鳥でいます。籠の中に閉じこめられた鳥も、多分こんな想いなのかな。本当は、もっともっと大空を飛びたいのだろうにね。

 そういえば、先月の27日に二十歳の誕生日を迎えました。確かに僕にとっては記念すべき節目を迎える年です。でも残念なことに今年の誕生日もまた無菌室で過ごしました。生ものは食べられない、家族以外は入られない、その他幾多もの制限が無菌室にはあります。それは感染症を防ぐためにはやむを得ないことではあります。けれども、1年に1度くらいの誕生日をその制限の中で過ごすことになると、割合退屈な1日が待っています。実際に誕生日といっても全く何もしませんでした。残念です。

 もう季節は春ですね。通院の道中にタンポポが咲いているのを見かけました。再びこの季節が廻ってきましたね。でも桜を見ても素直に喜べないかな。昔みたいには。

 去年の桜を思い出します。去年の桜の季節のあの人を思い出します。けれどもうそれは想い出の中だけにしかいない。結局あの人とは桜酒が飲めなかった。あの人と桜の下で一杯飲みながら話がしたかった。患者仲間の間で話をしたのを覚えています。桜は散っても来年また咲けるからいいねって。でも、その言葉を患者が口にするにはあまりにも寂しすぎる。だって、僕たちは一度きりしかないのだからね。生きている物はみんな同じ。1度きりしかないのだからね。

 桜を見ると想い出が浮かんできます。けれどそれはほとんどが悲しい想い出でしょうか。寂しい想い出でしょうか。けれども桜はその中で僕の心の中に美しく栄えたことも覚えています。淡い感激を与えてくれたことも覚えています。桜は好きです。あの柔らかい春風が好きです。あの柔らかな春風にそよがれるだけで僕の心は穏やかになります。だから、あの春風が恋しいです。けれども、僕にとって桜は悲しさもまた憶えさせてくれます。また、この季節が廻ってきましたね。

 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 【 読 者 へ の お 知 ら せ 】

【案内】ご意見・ご感想などは KURUKANA BBS [掲示板] 等をご利用くださいますと便利です。その他読者同士の交流の場にもお使いくださいませ。読者のみなさまにより便利に快適ご利用いただけますよう、改善すべき点などのご意見もお寄せくださいませ。

・KURUKANA BBS [http://ikiru.cool.ne.jp/cgi/petit/petit.cgi]

・前号のメールマガジンの件名に誤りがありました。お詫びいたします。
  誤:KURUKANA No.001: 心の健康について
  正:KURUKANA No.002: 心の健康について

【重要】KURUKANA メールマガジンの発行周期を月刊(不定期)に変更します。読者の皆様に勝手を申しまして誠に申し訳ありません。次回の発行予定日は4月1日です。

〔 編 集 後 記 〕 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

 この度は発行が1ヶ月近く遅れまして大変申し訳ありませんでした。皆様におかれましてももうすっかり KURUKANA のことをお忘れになっている頃ではないでしょうか。記憶のご確認をお願いいたします。僕はその後も入退院を繰り返しながらささやかにしぶとく生きておりました。今は一時的に退院して無菌室の外の世界を満喫しております。

 前述したように近頃は内服の抗ガン剤を飲んでいます。そのせいか身体の節々が痛くて痛くて仕方ありません。なので今も身体をくねくねくねらせながらメールマガジンを制作しております(笑。体調の方が割合さえないので、次回の発行日である4月1日以降にまた色々なお話をさせていただきたいと思います。こちらの勝手ばかり申しまして申し訳ありません。皆様もくれぐれもご自愛くださいますように。

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